Story#04
Story#04
伝わる、をいっしょにつくる
WEBデザイナー
戸塚明日香
きっかけは、
自分を見つめ直す旅
「あ、好き!」と思わず言っちゃう世界観づくりから
講座資料、提案書まで、ひとりでがんばる女性起業家のためのデザインパートナーとして活躍しているあすかさん。
綺麗に整えられた柔らかなロングヘアに、どこをとってもふわふわしてそうな、愛らしいルックスそのままの、純粋さあふれるキュートな仕草。
お嫁にしたい清純派と言っても、誰も反対しないだろうことが想像に容易い彼女。
ギスギス、バリバリ、なんて言葉からは程遠いゆるやかな印象は、時にはお客様からも「この人ホント大丈夫かな?」と心配されるほどのゆるやかな空気感が漂っていますが、実際はというと、的確な発言をするロジカル思考を生み出すハイスペックな頭脳と明晰な判断力の持ち主でもあり、その見た目とのギャップがなんとも魅力的。
同じ女性から見ていても、お嫁にしたら「癒しと頼りがい」両方が手に入ってしまうのだろうなぁ、などと思ってしまいます。
そんなあすかさんのこれまで、そしてこれから。
4年制大学の農学部を卒業後、IT企業へ入社。
ところが、希望した企画·広報部への配属が叶わず、人事総務部に。
希望が叶わなかった先の配属先での仕事に、明確な意味を見出すことができず、成長できているのか、自分が役に立っているのかもわからずに、素敵な大人になりたい理想と現実のギャップが埋められないまま、仕事をしていたそうです。
毎朝、同じ時間に起きて、同じ仕事···そんな日々に、どこか空しさを感じていた。
心から望んだ仕事ではない仕事をしているうちに、どんどん心がすり減っていくような感覚があり、気づけばストレスが溜まって辛くなってしまっていた。
だけど、やりたい仕事をやるにはどうすれば良いかもわからなかったし、そもそも行動する勇気もなかった、誰にも相談もできない。
望んだ生き方ではない毎日の辛さは募るのに、どうしたらいいのかがわからない、出口のないこの時が一番辛かったそう。
私は、何を目標にすれば良いのか、自分は、一体何になりたいのか。
見つけたいのに、見つからない、わからない。
出口のない迷路の先で、とうとう、心身の不調を来たし、会社に行けなくなってしまったそう。
このままだと思い描く理想の自分に近づけない。。。。
その時思ったことが、「環境を変えたい。少し離れた場所へ行こう。」と言うこと。
どうせ行くなら、大好きな海が見えるところがいい!
リフレッシュする時間とともに、一人で自分を見つめ直す旅に出よう
そう思った彼女が向かった先が、石垣島。
どこまでも広い青い美しい海、絶えることなく聞こえてくる波のさざめき、体も心も撫でてゆく風の音、光の温かさ。
眠っていた五感で、石垣島の大自然を、世界を味わい、ゆっくり自分と向き合ったその先で、あすかさんはある人に声をかけられます。
その人は、日本一周旅をしている人。
あすかさんの世界に初めて現れた、「自分の好きなことで生きている人」
その人の旅の話や人生観に刺激をもらい、こんな生き方があるんだ、私も自分自身で幸せを感じる生き方をしたい、そう強く思うように。
自分のやりたいこと、好きなことをを探していこう!そう心に決めて、石垣島を後にします。
心をリセットし、
新しい自分で再スタート
石垣島から戻ってきた後は、家族や周りの人に支えてもらいながら心身も回復し、仕事にも復活。
仕事が終われば、自分のやりたいこと探しに夢中になり、本を読みあさる日々。
とりあえず、手に職をつけなきゃ!!! そう思いたち初めに資格を取ったのが簿記3級。「どうして簿記だったの?」とわけを聞くと「【手に職】で思いついたのが簿記だったから」
屈託なく笑って話すあすかさん。
そこから、英会話、さまざまな資格を取り、勉強ばかりした1年間を過ごしたそう。
それでもコレ!と言う自分のやりたいことは、見つからなかった。
そんな時、在職中だったIT企業で外部のインテリアデザイナーさんと一緒に手がけたオフィスづくり。これがあすかさんの大きな転機になります。
「これを置くと社員の仕事の効率が上がりますよ」
「これを置くと社員の方がもっとリラックスできると思います」
ただ、ものを選び美しくバランスよく配置するだけではない、「その先でどんな感情や未来・・・つまりは、心地よさや幸せ、望むものが得られるのか」
形のその先の「未来」を考えてデザインを考え選び提示する姿を見て、感銘を受けます。
「私もこういう仕事がしたい」
「その先にいるお客様のことを幸せにできる仕事がしたい」
デザイナーという職業に出会い、やっと自分のしたいことが見つかった瞬間。
当時からリサーチが得意だったあすかさん。すぐにデザイン業を検索、どんなデザイン業が自分には向いているのか、やりたいのか、調べ始めます。
そこで一番興味があったのは、WEBデザイナーという仕事だった。
思い返せば、小学校の時からWEBが好きだった。
小学4年生の時には、システムエンジニアだったお父様から教えてもらって、ホームページも作り、当時飼っていた犬の日々を載せるHP「ヒメの小部屋」があすかさんのWEBの原点。
当時は、ホームページにカウンター機能をつけるのが流行っていて、来訪者が増えるごとにカウンター数字が回るのがすごく嬉しかったこと。家族やみんなが見てくれて、結構人気なホームページだったことが嬉しかったこと。
蘇る好きなことを楽しんでいた自分の姿。
もう一度、ホームページを作りたい。
ちゃんと勉強してWEBデザイナーになる!
そう決めた彼女はすぐ行動し、半年間WEBデザインスクールへ。
WEBデザインの勉強は楽しくて、毎日が夢中。やっと「好き」と思えることが見つかって、彼女の毎日にたくさんの喜びが溢れるそうに。
スクールを卒業するころに結婚が決まり、それを機に転勤族へ。
長らく続けたIT企業を退職。
結婚後はIT会社でパートを始められます。
憧れた念願のWEB系のお仕事ではあったものの、パートという立場もあってお客様と直接顔を合わせて打ち合わせする機会が全くなく、ただただデザインを作る日々。
お客様の顔もわからない、どんな人が、どんな思いでいるかもわからない、ただ、作業のように進めていくデザイン。
本当は、デザインの先にいるお客様のことをもっと深く知って、思いが繋がるデザインをお渡ししたいし、その先にどんな幸せを生み出せるかまでを大切に作りたいのに、それができないもどかしさ。
そこに生まれた葛藤を抱える日々を送ります。
伝わる、をいっしょにつくる
お客様の想いや温度感が伝わる近い距離で、直接お顔を見ながら仕事したい
お役に立ちたいその思いが強くなり2020年 フリーランスとして独立を決意。
夫の転勤先の知らない土地で、相談できる人も頼れる人もいない孤独の中、どう集客したら良いかもわからないまま、それでもあすかさんはすべて手探りの中で動き始めます。
自分を知ってもらって、売り込むために、自分でチラシを作って配り歩いたことも。
人脈もコネもないし、売り込むためのすべも知らない。だからこそ、できることを自分の手と足、頭を使って一つずつ重ねていった日々。
少しずつ仕事は入ってきたものの、決して順風満帆とは言えず、他のWEBデザイナーと比べて悩むこともあったそう。
それでも、あすかさんは自分の作りたい世界···お客様とともに、WEBデザインをしたい、その思いを抱き続け、諦めることなく繰り返す試行錯誤。
どうしたら良いのか、何をすべきか。
自分で集客方法からブランディングまで、興味のあることは全部情報収集し、学び、すぐに行動。その繰り返しを続けていくうちに、少しずつ顧客が増えるように。
やっと出会えたお客様だからこそ、一件一件、お客様の思いを見逃すことなく受け止め、WEBデザインにのせたい。だからこそ事前調査も分析も、できる限りを尽くして、わかりやすく、見やすいものにして、ご提案する、ひたむきに一生懸命重ねた実績。
ビジネスの構築に関しては、すべてが0からの手探り、自分の身をもって、あらゆる試行錯誤、失敗や成功、その実体験を通して体感し、積み重ね確かめてきたことばかり。
フリーランスで仕事をしていると、起業塾や起業コンサルを頼り、そのノウハウを得てなるべく早く確実な道で自身のビジネスを築き上げようとする人が多い中、あすかさんの情報収集ワードに「起業塾」も「コンサル」もなかった。
だから、自分で考えて積み上げながら進むしかなかった。
たとえそれが遠回りだったとしても、やりたいこと、好きな事を仕事にして叶えていく道は、諦めたくなかった。
そんなあすかさんだからこそ。
自分で考え、自分で検証してきたから、自分の言葉で、伝えられる、答えられる今がある。
誰かや何かの借り物の言葉や経験ではなく、自分の知識と経験から、自分の言葉でお客様に根拠を持って伝えることができる。
もしかしたら、一人孤独の中進まれた期間は、決して楽ではなかったかもしれないけれど、今あの時諦めずに進み積み重ねたものたちが、あすかさんの信頼と実績を重ねる上での、大切な糧になっていることは、間違いありません。
だからこそ、デザインも感覚に頼り切ることなく、ロジカルに考え、根拠を大事にしているそう。
想いという見えないものを確かに伝えるために、どうすることが必要なのか。
なぜ、この色なのか、この写真なのか、この構成なのか。
このデザインによって、誰に何を、どんな思いを伝え、どんな未来を約束するのか。
その人の思いを汲み取り、その想いを、根拠を持って、結果につながるデザインに表現する。
それが、WEBデザイナー。
あの、憧れのインテリアデザイナーのように
” その先にいるお客様のことを幸せにできる仕事”がしたい。
「伝わる。いいカタチ」を一番に考えて。
だからこそ、「なんでも言うことを聞いてくれる」人になるのではなく、WEBのプロとして、妥協することなくお客様にとって本当に必要でいいものを、提案・提供していきたい。
大切にしているコンセプト、背景や思いを知り、そこから「本当に伝えたいこと」をいっしょにデザインに作りあげたい。
独りよがりのデザインに終わることがないように、根拠を持って、互いの信頼と納得の上で「このデザインでいきましょう」そう、言い合いたい。
そうして出来上がったWEBページが、新たな世界を開いていくことを、見てゆきたい。
フリーランスになると決意して、初めて歩き出したあの時。
知らない土地で、右も左もわからない中、ただただ手探りで日々を重ねていった、あの時の不安と孤独を知っているからこそ。
自分らしい生き方、その道を進むことを決めた人を、一人で頑張っている人を、応援したい。
一人で頑張らないで。抱え込んで悩まないで大丈夫。
一緒に作り上げていきましょう。それが彼女のメッセージ。
伝わるを、いっしょに作る。
デザインを心から楽しんでいるあすかさん。
今、憧れたインテリアデザイナーさんが見ていただろう景色を、この目で見ているし、きっとその先の世界も、見上げている。
Writer&interviewer yucaco terada
Editor Yuka Aso
November12,2021
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