Story#02
Story#02
見つめたくなるうっとり手先に育てる
ハンド&ネイルケア
ハンド&ネイルケアリスト
麥田なおみさん
お裁縫に憧れた子ども時代
ミシンで裁縫をするおばあさまの姿を間近にみて育ち、お裁縫に限らず、いろんなものを作ることが好きだった子ども時代。
一方で、お小遣いは決して多くなくて、「どうしたらこのお金を増やせるんだろう」そんな風に考える子でもあったそうです。自分で作ったものを数十円で売るということをやってみたり、今ある元手をさらに活かすにはどうしたらいい?そんな風に工夫することを考えるのが常だった、なおみさん。
おばあさまの裁縫する姿に憧れ、服飾の専門学校へ。晴れてパタンナーとなり、8年間パタンナーとしてお仕事をされたのち、結婚。
この結婚が、なおみさんの人生を想定外の荒波へと、誘います。
まさかの離婚から
動き出した未来
結婚した人についていく選択をしたなおみさんは地方へ。
地方ではパタンナーの仕事もなく「資格にも仕事にもなるものは何か」そうして選んだのが、ネイリストの道。
「キラキラした女性起業とか、そういうイメージでは全然なくて、生きていくために、食べていくためにできることを選びました。」
ネイルの学校に行き、資格をとって、スタートした仕事。ところが、入客が得られないと、お給料が発生しない。売り上げにつながらなければタダ働きが当たり前。
女性ばかりの世界の辛辣さ。売り上げが立てられなければ、いじめられる。
それでも、自分で選んだ道だから。続けていた先で、まさかの事件が起きます。
義両親の前で起こった、夫婦喧嘩。
これが引き金となって「義両親がなおみさんと旦那様を離婚させてしまう」という大事件に。人生の伴侶と、覚悟を決めて天職とも言えるパタンナーという仕事を
手放して一緒にいる決意をして嫁いだ場所で、自分の意思とは無関係ありえない離婚が、成立してしまった。
8年間の結婚生活にピリオド。人生で一番辛い出来事だったというなおみさん。
どれほどの気持ちを味あわれたのか。筆舌に尽くし難いその出来事の先で、新たなるステージチェンジがやってきます。
いっそトップを
目指してみよう
自分にできそうな仕事で、食べていける仕事を。そうして選んだネイリストの道。
当初は、デザインが下手すぎると言われたり、お客様を得られずタダ働きだったり、いじめにあったり。決して順風満帆ではなかった道。だからこそ。
売れている先輩の近くに行って、どんな風に接客しているのか、ずっと見続けたそう。休憩時間や作業時間も、近くに行って観察したり、トークを聞いたり。そうしていくうちに、見えてきたそうです。
売れるための法則があるということが。
それを集め、「なおみマニュアル」なるものを作ったなおみさん。
離婚を機に、実家に帰ろうか、そう思ったこともあったそうですが、帰ってもすぐに仕事があるわけでもないしと、ネイリストとして働きづづけることを選びます。その決断をした先で、目指し始めたもの。
それが
どうせ働くなら、トップを目指してみよう
もう、守るべきものも何もないのなら、いっそこの道でどこまでいけるか、キャリアを目指してみたらいいんじゃないか。
「だって、自分で生きていかなきゃいけないから。だから、キラキラなんて私はしてなくて。毎日が、必死でした。」自分で生きていくために。生活していくために、そのために。そのためになら、トップも目指してみよう。その気持ちが「なおみマニュアル」の精度をますますと上げてゆきます。
売れてる人を、とにかくよく見て、分析して、真似て。何度も回して行っただろう、PDCA。売れてる人は、同じ言葉を、同じタイミングで言っている。そしてそれが、次回の予約につながり、指名される人になっている。見つけた法則を自分の接客に取り入れ検証する日々の繰り返し。
時には、他のネイリストがしてない姿をと、あえて黒髪ショートヘア、メガネスタイルにしたことも。
名前は覚えてもらえなくても「あのショートヘアのメガネの子」そう言って指名してもらえる。巻髪の綺麗め女性が多いネイリストの中で、それは立派なポジショニングになるという狙いは見事にヒット。記憶されるネイリストして、指名をもらうためのさまざまな工夫を重ねてゆかれます。
その先でとうとう手にした、店長&トップネイリストというキャリア。
仕事ができない自分が、いじめられるのが嫌で悔しくて目指し始めたその道の、トップの景色は、思いもよらないものでした。
結局そうなるなら、
独立の道を
キャリアを目指して手に入れた、店長&トップネイリストになったその先は。
嫉妬からのいじめが、そこにはあったそうです。
売れなくても、売れても、妬みやいじめは、あるんだ。そんな世界にいることに疲弊して、いよいよもうネイリストをやめようか、そう思っていた時。美容院のリニューアルに伴って、空きスペースでネイリストとしてやらないかというお声が、なおみさんにかかります。
これまでずっと積み重ねてきたもの。実績。作り上げた「なおみマニュアル」
売り上げも指名も一位をとった自分で、新たな世界にチャレンジしよう。埼玉に引っ越してスタートしたところ、順調にお客様に恵まれてゆくのですが。
委託の関係で始まったここでの売り上げは、半分がオーナーの元へ。ワンマンオーナーとの折り合いもなかなかつかず、とうとうなおみさんは独立を決意。
「独立しよう。」そう決めたその足で不動産屋にゆき、物件を確保。そうして、いよいよネイルサロンを構え、ネイリストとして独立を果たし、現在に至ります。
この時、なおみさんはこんなことを話してくれました。
「本当に・・・・私全然、キラキラした起業女子ではないんです。
いつも、生きていくことに必死で、食っていかなきゃってそれでやってきて・・・。でも、そんな私でも、積み重ねてきたものはあって、それだけはやってきたよなと思ったんです。この仕事が好きかと聞かれると、正直わからないし、本当に、生きていくために続けてきた仕事だったけど笑でも、それでも、コツコツと積み上げて、売り上げもとって、指名も一位になれて、私にもできるんだって、そう思うことができたから、ここで挑戦できたと思う。」
対談中に何度も言葉にした「キラキラしてない」という言葉。
ご自身の人生から逃げることなく、その時のベストを選んだ道で、学びと工夫を積み重ね、結果を出してきた日々を「キラキラしてない」なんて一言で片してしまうなんて、なんともったいないのだろう。
これこそ、一生懸命に生きた、輝かしい証。
確かに「自分で自分を磨き、確かに育て上げてきた輝き」に他ならない。
なおみさんの道は、磨き続けた確かな輝きの道だし、きっとこれからも、輝き続ける。
デザインネイルより、
「美しい指先のケア」
としてのネイルを
現在は埼玉県でネイルサロン panconail を主宰されるなおみさん。
そのページに掲載されているネイルデザインは艶やかながらもとてもシンプル。
そのことをお聞きしてみると・・・
「以前から、ネイルは綺麗なのに、指先のケアが至らなくて荒れている方を見ては残念だなと思っていて。デザインネイルは得意でも、ネイルケアに力を入れているネイリストは実は少ないし、サロンでもそれを推すところは少なくて。」
「だからこそ、指先のケアをより大切にしてきたし、ネイルのデザインを煌びやかにするより、指先を美しくして、ネイルデザインはシンプルにするのが好きだし得意です。ご要望があればデザインネイルもしますが、美しい指先になるためのネイルケアとシンプルなネイルを提供しています。」
そう、教えてくれた、なおみさん。
対談中に何度も仰った「キラキラしてなくて」という言葉、それは彼女のネイリストとしてのあり方、そのものなのかもしれません。
ただ、煌びやかなだけではなく、自ら磨き育てたもので、自分として生きてゆく。質実剛健という言葉が、ぴったり合う。だから、輝いている。
この仕事が好きかと聞かれると、好きかどうかはわからない。
そう仰ったなおみさんですが。
恋とは、相手の良いところ、自分の気にいるところを見て、落ちるもの、
愛とは、相手の嫌なところも知って、受け取ってゆくから、生まれるものならばなおみさんはネイリストとして、この仕事を・・・ただ、好きなのではなく、愛しているのではないかと。
コツコツ積み上げることができる努力家、技術と質にこだわる職人気質でもあるなおみさんだけど、ふわっと笑顔がとても可愛く、たくさんのお客様が集まるのはなおみさんの人柄ですね。
生きていくために稼ごうと始めた、ネイリストの仕事。
いろんなことがあったけれど、独立して、自分のサロンも持ち、今後は、同じように環境に恵まれず苦労しているネイリストさんを雇って一緒に仕事をしたい。
トップネイリストの道をともに磨き上げながら登った「なおみマニュアル」とともに、彼女の道は、ますますと磨き上げられてゆきそうです。
Writer&interviewer Yuka Aso
Editor yucaco terada
November12,2021
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